台温泉の中では比較的手前にある湯治宿です。台温泉のバス停から徒歩１分か２分でしょうか。 HPを見ると、本格的な湯治というよりプチ湯治客をターゲットとしている感じが伺えます。こういう宿がうちには丁度よいかなと思って行ってみました。料金プランも手頃。素泊まり４，０００円～、２食付きで…… more ５，５００円～（１名１室料金）という設定なのも嬉しいところです。今回は２食付きで土瓶蒸しがついているプランで宿泊してみました。マネージャーが土瓶蒸し食べてみたいという事で。 到着すると、台温泉の温泉街の静けさ、これがまたのんびり休みに行くには良いなと感じるのです。賑やかな温泉も好きですが、こういう温泉地も魅力があります。 ［湯治宿らしい心惹かれる外観］ 宿泊 料金：６，６７０円　楽天トラベル予約　　　 　　　　（１泊２食　２名１室　１名分） 　　　　暖房費１００円と入湯税７０円含 平成２８年１２月　訪問 到着し館内に入ると宿のご主人がすぐに出てきてくれました。予約をしている者だと言うとわかっていたようですぐに対応してくれました。一旦事務所みたいな所に戻って、お部屋確認しすぐに２Fのお部屋に案内されました。 ［宿の玄関　２Fから撮影］ 少し急な階段ですが問題ありません。お部屋の戸を開けると、まずは踏み込みがあり、その奥は８畳のお部屋になっています。 お部屋の設備としては、テレビ、エアーポット、石油ファンヒーター、お茶セット、タオル、バスタオル、歯ブラシ、浴衣、丹前など。冷蔵庫無。金庫はあったのですが、鍵が無く使いませんでした。お部屋の鍵は内鍵のみ。そういえば、ティッシュが無いので、車に箱ティッシュ取りに行きました。 古いお部屋ですが、清潔感がありなかなかです。Wi-Fiが使えると廊下の所に表示あったのですが、この部屋は場所によって電波入ったり入らなかったり。お部屋によりけりのようです。全室くまなくWi-Fiが使えるのではないみたい。 ２人で利用するには十分です。暖房も石油ファンヒーターなのでお部屋全体が良く温まります。湯治宿であれば、ほんとうは冷蔵庫はほしいなと思いました。 ［宿泊したお部屋］ トイレと洗面台は共同になります。トイレはシャワートイレになっていました。ちょっと寒いのがこの季節難点。洗面台は流しみたいな洗面台です。お湯がでるのが嬉しい。歯磨きや顔を洗う時、お湯出るとやっぱり良いですよ。 ［シャワートイレ完備］ ［流し台みたいな洗面台］ いろいろ確認したらちょっと一息。お茶を一杯飲んでからお風呂に向かいました。 お風呂は１Fになります。最初に登ってきた階段とは別の階段を降りていったほうがお風呂に近い。 個人的には、別に階段２つ無くても十分なのでは？と思う距離に２つの階段がありました。 ［風呂入口］ 脱衣所、かなり狭め。２人同時に着替えるのがやっとかなと思います。脱衣棚に籠が置いてあるだけのシンプル脱衣所。椅子がひとつあるので、足腰の弱い人が着替えする時は良いと思います。 ［脱衣所　少し狭い］ ［暖簾の向こうは直ぐ廊下］ お風呂は男女別内湯×１。浴室内、すごい湯煙。最初まっしろですぐにメガネも曇るし何も見えませんでした。メガネを拭いたり少しかがんでみると湯船が見えてきましたよ。 ここの湯船、タイル貼りの台形の湯船なのです。３人ぐらいがゆったり入れるでしょうか。浴室もあまり広くなく、湯治のお風呂って雰囲気がなかなか良いです。大きすぎる湯船より、このぐらいのほうが落ち着く。噂で熱いと聞いていたのですが、ちょっと手を入れてみたらほんとに熱い。４６度ぐらいありました。しっかりかき混ぜてみると４４度強ぐらいになったので、しっかり掛け湯してゆっくりと体を沈めます。 ［台形湯船の浴室　台温泉だから？］ たしかに熱いのですが、なぜか心地よい熱さ。熱さで攻められているはずなのになんか嬉しさもあります。マゾっ気あるのかしら？お湯は透明、しっとり感があり癖のない湯です。湯治として何度も入るならこういう湯良いと思います。成分の濃すぎる湯は１回の入浴ですごく疲れてしまいますから。肌にも優しいのですがとにかく熱いので最初はいろんな事考えられません。 自分の体積分だけザバ～っとお湯が流れていくのも気持ちいい。掛け流しの贅沢を独り占めしている優越感に浸れます。鮮度を感じる湯なのもここの大きな特徴。 ［透明湯　何度も入るのにベストな泉質］ 熱さに耐えきれなくなった頃一旦湯船の縁に避難し休憩。呼吸を整えながらゆっくりと浴室内を見渡すと、洗面器の数がすごいあるなと思いました。この数だと、同時にシャワーを使っている人と湯船の縁に座っている人の人数分ぐらいは確保されています。女湯側との仕切りはガラスブロックなのですが、女湯側誰も入っていないのか電気が消えているためガラスブロックの良さがあまり分からずに終わってしまいました。 ［女湯側との仕切りガラスブロック］ シャワーは３台。水圧は１台だけ使っていると特に問題なし。置いてあるシャンプーとボディーソープもなかなか良いものが置いてあります。シェービングフォームもあるのが良かったです。難点は湯船とシャワーがちょっと近い事ぐらいかな。 ［シャワー　風呂椅子と洗面器が豊富］ さて、この湯船何処が湯口なのだろう？と考えてしまいました。湯船にのびている白いホースは水なのです。１回目の入浴の時は全く分からず、マネージャーが後で宿の人に聞くと、湯船の底近くに穴があって、そこから投入しているとか。３回目ぐらいに入浴した時確認したら、確かに熱いのが出ている場所ありました。静かにお湯が投入されているため、湯が落ちる音も無く、ゆったりとお湯と向き合えるのがこの浴室の特徴です。香りは温泉の香りとでもいうのかな。芒硝的な香りを楽しむことが出来ます。 ［湯口は湯船の中の小さな穴（写真では見えない）］ 最初の時は独泉できて結構のんびり入浴。２回目の時は日帰り客のお爺ちゃんと一緒。お爺ちゃん、しょっちゅうこの吉野屋にお風呂入りに来るそうです。車で３０分以上掛かる場所から来ているような話。最初ごまちゃんが普通に入浴していたのですが、お爺ちゃんにとっては少し熱かったようです。でも、常連客の意地なのでしょう、我慢して入っていましたよ。 ３回目以降も他の宿泊客と一緒だったり１人だったり。正直、うち含めて何組宿泊していたのかは分かりません。タイミング次第では思ったよりぬるめの時があったので加水しながら入る人もいたのでしょうね。というか、普通は加水しないと入れないと思う。 さて、ここのお食事です。夕食は６時からになります。基本部屋食なのかな？今回は空いているお部屋に食事を用意していただきました。食事も個室状態なのでなんか気楽。 予めHPの写真は見ていたのですが、料金の割にはすごくお得感のある食事になっています。豚肉の陶板焼き、お造り、海老の塩焼き、ブリ照り焼きなどなど。デザートもあるし。勿論、松茸の土瓶蒸しもついてきます。料金を考えたらほんと良いと思いました。しかも味付けがあまり濃くなくて良いのです。最初から白飯ももらって食べていたのですが、なんと最後の頃にお蕎麦まで出てきて。いやまあ、ほんとお腹いっぱいというかマネージャーは食べきれないと言うのでその分も食べたら動けなくなりました。デザートの果物はマネージャーに食べてもらった。 ちなみに、宿の人から持ち込みしている飲み物があれば食事会場に持っていって飲んでも良いでも良いとのこと。このへんが湯治宿らしくて良いですね。持ち込みがあるのが大前提になっているし。 ［夕食　コスパに優れた内容で満足］ 夕食を食べている間にお布団式されています。ここのお布団、まあ普通に温かい布団で寝心地良かったですよ。 ［おふとん］ 朝食は７時半。夕食と同じお部屋に用意していただきます。焼鮭、温泉卵、ハムやトマト、筋子などの朝食。写真の醤油さしに隠れているのがハムです。焼鮭の切り身が大きくて、家だったらこれで夕食に値する内容でございます。とても湯治の食事とは思えない豪華さです。（お値段と較べての話） コーヒーサービスもありました。 ［朝食　鮭がでかくて美味しい！］ こういう、若干古くて小ぢんまりした湯治宿、個人的にはかなり好きです。１０代や２０代ではわからない良さがあります。それで良いと思うのです。若いうちはやっぱりもっと刺激的な場所で遊んだほうが良いと思うし。ある程度年齢を重ねてくると、こういう宿が落ち着くようになりますね。 良かったのはお湯がビシっと熱めで入った感がしっかりある事。お部屋も古くても清潔感があり快適に過ごせた事。なんといってもお食事が美味しい。お値段以上の価値が有ると思います。 基本的に宿のご主人がいろいろ対応してくれます。真冬なのに短パン半袖でいろいろ準備をしている姿を見ていると、苦労されているのかなとも思いました。ホテルのような接客ではない、なにか心温まる接客なのがこの宿の特徴。ほんわかした気分になります。そういう所も気に入りました。 ［２F　お部屋前廊下］ ちょっとここは直したほうが・・・と思うのは、やはり湯治宿にありがちのパターンの宿側の生活用品や道具がお客から見える所に多少置きっぱなし。そういう物をきっちり何処かに片付けてスッキリした館内に見せれば女性からの印象がとても良くなると思います。 持ち込みがOKであれば、冷やす事が可能なように冷蔵庫はほしいですね。そのあたり、詳しく宿の人に聞かなかっただけで、実際はどこかに共同の冷蔵庫があるのかもしれません。 気になったのが、この宿、脇から見た時の奥行きと実際に使っている部分が大きく違うこと。実際にはもっと奥側にも客室とか宴会場とかあるのかもしれません。現在使っていないだけなのかな？それとも、今回訪れた時は客が少ないからあえて廊下を仕切って奥側に行けないようにしていたか？まあ、多少そういう謎があったぐらいが楽しいです。 ここ、また泊まりで訪れたいです。次回は２食付きでも安い方のプランで。可能であれば連泊したい。旅籠的宿泊は別に必要と思っていないけど、隣の部屋と障子でだけ仕切られている本格的な湯治宿ではちょっと・・・という人にはこういう宿お勧めします。ここの料金なら、ちょっと良いホテルに一泊する価格で連泊できますからね。 仙台から台温泉は高速使うと約２時間半。気分転換に訪れるのも良いと思います。 主婦湿疹　△ 参考までに、今回宿にチェックインする前、花巻市内のアルテマルカンでお買い物してから吉野屋旅館に向かいました。アルテマルカンだと、おつまみも飲み物も手頃価格で調達できます。Twitterで花巻のこといろいろ教えてくれた皆様のお陰で、今回宿に到着する前のいろいろな準備ができ大変助かりました。あらためて感謝申し上げます。 close

台温泉　吉野屋旅館（岩手）