鳴子警察署からそれほど遠くない場所にあるホテルです。湯巡り始めた頃から存在は分かっていましたが、循環の湯という情報がどうも頭にあり、鳴子でわざわざ循環湯に入る必要もないだろうといままで訪れていませんでした。 でも、一度ぐらい行ってみても良いかなと最近気が変わり、急遽訪れてみたので…… more す。駐車場はホテルの真ん前と少し離れた所にあります。 到着するとなんだか館内暗いのです。やっているのかどうかもわからない雰囲気。入口は開くのでとりあえず中に入ってみました。 ［以前はとても輝いていたホテルだと思う］ 日帰り入浴 料金：８００円　　湯巡りシール３枚 時間：１０時～１６時 平成２９年１月　訪問 雑然としたフロントの所に行っても、誰もでてくる気配もありません。周りを見渡すと、以前はかなり立派だったのだろうけど・・・その後メンテナンスを怠り、さらに片付けもされていない状態でなんだか雑然といろんなものが置いてあります。正直、ホテルというレベルではないような気がしました。 何度か声をかけてみたのですが、それでも誰も出てこない。諦めてそろそろ帰ろうかと思った頃、奥の方から宿の人が出てきてくれました。作業中だったようです。でも、お客がきても誰も気づかないホテルというのはどうなのかと。 ［１Fの廊下　最初電気もついていなくて真っ暗だった］ 入浴できるとのことですので、お風呂利用させていただくことにしました。お風呂はエレベータで上がって５Fだとか。久々に最上階にあるお風呂を利用します。 館内の廊下、かなり暗めです。節電でほんとに最低限の照明しかついておらず、どこか廃墟感もあるのです。 クラシックなエレベータに乗り、５Fで降り立つとそこはお風呂だけがあるフロアでした。マネージャーが気づいたのですが、壁に掛けられている絵も剥がれかけているし、男湯の表示も紙にかかれているような状態。ほんとに大丈夫なのかなと思ってしまいます。 ［風呂入口　絵がもう剥がれているし・・・］ 脱衣所に入ると、なんか場末のスナックを連想させるような雰囲気がありました。どこか懐かしい雰囲気の作り。当時はオシャレだったのかもしれませんが、今となっては・・・というデザインです。洗面台に置いてある化粧品類も昭和の時代に流行ったものをそのまま同じものを準備しているという雰囲気。まあ、それはそれで味があって良いかもしれません。ドライヤー無、トイレ有。 ［脱衣所　全体的に昭和の雰囲気］ 脱衣所と廊下の仕切りの一部にガラスブロックが採用されていて、そこから採光されています。これ、懐かしいと思う世代もあれば、物珍しいと思う世代もあるのかも。実は、仕事で２０代前半の人にガラスブロックが使われている建物でそれを説明したら、今までに見ているのかもしれないけど意識して見たこと無いとすごく珍しがっていました。旧きを知ることもまあ良いのかもしれません。 脱衣所内にプチお庭的なものも作られていますがこれは無理してないほうが良いのかもと思ってしまいます。 ［一部ガラスブロック　流行った時期ありましたね］ 一番昭和の場末のスナック感があるのはこのステンドグラス。なんかね。当時はいい雰囲気だったのでしょう。 ［ステンドグラス　こういう所が昭和の雰囲気］ お風呂は男女別内湯×１。 パッと見た感じでは可もなく不可でもなくという標準的なお風呂に思いました。ただ、よく考えるとここはホテルなのです。ホテルの風呂として考えた場合には若干簡素な風呂といえるかもしれませんね。湯船の中はタイル張り。浴室もまあ、作った当時はすごかったのかもしれませんが、だいぶ老朽化してしまっています。最初に感じたのはあぶら臭。 ［５Fの浴室　あぶら臭それなり かけ湯してみると結構適温。設置されている温度計では４３℃を指しています。まあ、実際そんなぐらいでした。体を伸ばすようにして浸かると、まあ、これはこれで気持ち良いかな。 お湯は黄ばんだような色。若干のとろみも感じます。茶色い湯花確認。肌にまとわりつくような湯です。もしかしたら循環湯という先入観のためなのか、お湯に鮮度をあまり感じません。少し熟成された湯というのか、なまっている湯というのが正直な印象です。香りにしても肌触りにしてもフレッシュ感が無いのです。 それでも、浸かっていてものすごく嫌だとかそういう気分にはならず。もうちょいこうだったら良いな～というのは思うのですが許容範囲でした。分析表には塩素消毒の事が書かれていましたがそれほど気になるレベルではありませんでした。 ［黄ばんだ色　少しなまったような湯］ 循環ということもあり、湯船の中にある穴からはそこそこの勢いでお湯が吸い込まれていきます。そして、湯口からは結構な量出ていました。湯口から出てくる湯、温度も湯船の中よりちょっとだけ熱い程度。ずっとさわっていても平気なぐらいです。もっと強いあぶら臭を期待していたのですが、湯口の所でもそれほど強烈なものは感じず。ただ、十分あぶら臭はしていますよ。期待より低かっただけ。 ［湯口　これほど投入しなくてもよいのでかけ流しにしてほしい］ シャワー３台、カラン２台。お湯は普通に出て水圧も普通。しかし、ここのシャワーのシャワーヘッドが大きすぎてバランス悪いのです。なんかこう使いにくい。水栓も水と湯を自分で混ぜるタイプ。マネージャーはこのタイプ嫌いらしい。まあ、自動混合の水栓に慣れてしまうと面倒ですよね。 置いてあるシャンプーやボディーソープ、かなり減っています。それだけ客が来ているのか、それとも、補充が追いついていないのかよくわかりません。 ［シャワー　シャワーヘッドが大きく重い］ 終始一人。他に客が誰も来ないので結構ゆるりと入ることが出来ました。お風呂から見える鳴子の景色、また違った角度から見るのも良かったです。途中でトドになりながら入浴。浴室内で休憩をしている感じ。なので、汗はたくさん出るのですが思ったほど苦しくもなく浴室内で過ごせました。ちなみに窓は開けられないです。 ［女湯］ 湯上り後、女湯入口側に行く廊下に行ってみたら、この廊下部分、陸羽東線が直ぐ目の前を走る所なのですね。電車好きの人にはいいスポットかも。 ［陸羽東線が良く見える通路］ 帰る時、宿の人がわざわざご挨拶してくれました。このホテル、正直、いろいろ見直しが必要な時期に来ていると思います。今の状態では、お値段なりの価値を見出すことが難しいかな。日帰り入浴料金も宿泊料金も。 基本的には鉄筋コンクリートで頑丈に作られているホテルです。館内の設備も調度品も一度大きく見直しをし、綺麗に片付けることによってホテルとしての魅力が増すと思います。どんな建物でも年月により老朽化はしますから。そういう所をひとつずつ解決していけば、立地条件も悪くないのでもっともっと客が訪れるような気がします。 ホテル側にもう一度やる気をみせてほしいというのが本音。 帰る時マネージャーが気づいたのですが、融雪設備にも温泉が使われているようです。この温泉の香りが一番すてきなあぶら臭しました。このことから源泉の良さは本物だと思います。 やはり、お湯の使い方も工夫して循環をやめ、かけ流しにすることによりお湯の魅力もアップするのではないかと思いました。 close

鳴子温泉　鳴子パールホテル（宮城）