こんにちは、橋本です。今回は、先日ＯＫＲを引退した先輩方とドライブで訪れた温泉をご紹介します。長野県・松代にある「加賀井温泉」は、名湯と名高く各地から湯治客が集まります。昔ながらの湯治文化と新鮮なお湯を守ろうとするご主人の情熱を強く感じました。♨　♨　♨　丘のふもとの駐車場は、…… more 車でいっぱいだった。車を降りると、五月上旬ながらかなり涼しい風が入ってくる。日が傾いて、砂利の駐車場は日陰になっている。　受付に行くと、ご主人が早速入浴のルールを説明してくれた。覚えている限りで再構成することで、温泉の魅力を伝えようと思う。　ここは湯治のための温泉です。頭を洗ったり、体を洗ったりすることはできません。そのことをご理解して入浴してください。　石鹸もない湯治場は、今ではかなり珍しい存在である。ひと昔前の本では「本当は石鹸はいらない」などと書いてあったが、さすがに現在ではシャワーを置いていない温泉を探すのは至難の業だ。　　内湯の湯殿は、1930年に建てられたもので、当時からシャワーはつけてありませんでした。今もシャワーはつけていません。シャワーで温泉の成分を流してしまうと、せっかくの温泉の効果がなくなってしまいます。　その上、当館の温泉は、市販の入浴剤100袋分の濃さがあり、石鹸は泡立ちません。源泉とお風呂が6mしか離れていません。全国的にも珍しく、源泉から全く劣化しないお湯をお風呂に引いています。※敷地内の撮影は、許可を頂いてから行っています。*　これが源泉で、地下120mのところから41℃で自噴しています。この温泉を、このパイプで引っ張ってきています。１時間に一度、このように、温泉はボコボコ、ボコボコと泡を立てています。今のように元気よく泡立っているときもあれば、そうでない時もあります。まさに、温泉が生きているのです。　源泉から出たお湯は、すぐにお風呂に注がれます。普通なら温泉街全体で使うような湯量の源泉を、男湯と女湯のたった二つの湯船でしか使わないので、「日本一の効能」と言われるのです。　内湯にはロッカーがありません。脱いだ服とともにカゴに入れて、自分の前に置いて見ていてください。当館の浴槽は7mあります。湯口から遠いシモから入ってください。湯口に近づくにつれて温度が高くなります。好みの温度を探してください。最後に湯口に最も近いカミから上がれば、誰も手をつけていない新鮮なお湯をまとって上がれます……　解説を聞いてから温泉に入ったのは、初めてのことだった。ご主人の情熱を感じたし、お湯の素晴らしさが伝わってきた。「いい温泉をみんなに味わってほしいけど、マナーの悪い客が増えるのは困る」というジレンマを解決していて、温泉への誇りがいい客を集める原動力になっているのだろうと思った。　内湯の床には析出物がゴツゴツとした結晶を作り、凹凸だらけの床は慎重に歩かねばならないほどだった。　その床を歩いて行ってシモから入ると、ぬるめの透明な湯なのに、じんわりとあたたまってきたことには驚いた。ご主人によると、炭酸ガスなどの細かい粒子が体の内側に浸透するため、体の表面よりも芯が先に温まるという。　鉄分を豊富に含むのだが、あまりにも湯の入れ替わりが激しいために酸化する暇もなく透明な湯が浴槽に満たされ続けている。温泉の見えないパワーを実感した。　浴槽の中も析出物だらけだった。びっしりとついた析出物をさわりながら、じっくりと湯に浸かっていると、穏やかな気持ちになってくる。４人で来たのだが、それぞれのペースで静かに温泉を楽しんだ。　途中で野天風呂にも行ってみることにした。外にあるのでサンダルを履いて移動する。野天風呂は、内湯とは対照的な黄金色の湯で、ぬるめなのでずっと過ごしていても飽きることがない。39℃の旧源泉のみの濃い黄金色のお湯と、内湯にも使っている新源泉の混合の薄い黄金色のお湯があった。色の違いは、湯量によっているのだ。夕方の涼しい風を受けながら入る野天風呂は格別であったが、かなりぬるめなので内湯にもう一度入ってから出ることにした。　湯上りの後も、ご主人に温泉のことを色々と教えていただいたが、ここには書き尽くせない。是非実際に行って、ご主人の話を聞きながら新鮮なお湯を味わってみてほしい。談、橋本* 露天風呂に出入りする人が写り込む可能性もあるので、敷地内の撮影は原則禁止されています。撮影を希望する方は、ご主人に必ず相談してみてください。撮影できるかはその時の状況によりますので、撮影できない場合もあることをご理解ください。＜加賀井温泉一陽館＞営業時間　8:00-19:45入浴料　大人400円＊このブログを書くにあたって、温泉の説明等をあらためてしてくださった春日陽造氏（一陽館のご主人）にこの場を借りて感謝したします。  close

【長野県】こだわりの新鮮湯 加賀井温泉一陽館