さて。前回『蔦温泉旅館』の続きです。 「久安の湯」を独り占めして存分に入浴を楽しんだ後は……   蔦温泉旅館で立ち寄り入浴が可能なもうひとつの浴場である「泉響（せんきょう）の湯」へ。   「泉響の湯…… more 」の名前はかつての文豪・井上靖が蔦温泉旅館に来館した際、蔦温泉の雰囲気を「泉響颯颯」（せんきょうさつさつ）と詠ったことから名付けられたとか。 ちなみに「泉響颯颯」とは「泉の響きが風の吹くように聞こえてくる」という意味なんだそうです。   泉響の湯は男女別の浴場で、ちゃんと女湯もありますよ。 のれんの奥にチラッとおっさんの姿が見えていますね？ このおっさんも立ち寄り入浴客で今、蔦温泉旅館に来たばかりとのことだったんです。 そこで僕は「この蔦温泉旅館は久安の湯の方が有名ですよ。千年の秘湯というのが久安なんです。僕は今入ってきたばかりですので、今なら誰もいませんよ」などと言葉巧みに誘導し、おっさんを久安の湯へと追っ払うことに成功！（大爆） なあに、おっさんにしてみたところが泉響の湯に赤の他人といっしょに入るよりも、有名な久安の湯を独り占めしてのびのび入る方がいいに決まっています。 まさにこれこそ「Win-Win」(ウィンウィン)ですね！（笑）   わーい！！！久安の湯に引き続き、泉響の湯も誰もおら～ん！← 泉響の湯の脱衣場は鍵付きロッカーが設けられているなど、久安の湯に比べてモダンな造りになっています。   源泉名：蔦温泉新湯泉質：ナトリウム・カルシウム－硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉　　　 （低張性中性高温泉）泉温：45.4℃ 久安の湯は源泉名が「蔦温泉旧湯」だったんですが、泉響の湯の源泉名は「蔦温泉新湯」となっています。 そう！久安の湯と泉響の湯とでは源泉が違うんですよ！ 温泉マニアによれば「源泉が違えば別の一湯」なんだそうです。 てなわけで、2日目5月17日の5湯目は『蔦温泉旅館 泉響の湯』です（笑）。   泉響の湯、浴場全景。 おっさんを追っ払ったかいがあったなあ！（爆） 泉響の湯はかつては湯治棟専用の混浴風呂だったそうですが、平成8 年（1996）に改築し、現在のような姿になったとか。   天井が高いのもまた泉響の湯の特徴のひとつ。 浴槽から梁までの高さが最頂部で12mもあるそうです。   かけ湯槽も久安の湯に比べてモダンなデザイン。   かけ湯槽もしっかりと源泉かけ流しです。   泉響の湯にも水風呂が。例によって入ってませんよ（笑）。   さて、メイン浴槽です。   こちらもブナ材なんでしょうかね、木造りの浴槽がいい雰囲気です。   泉響の湯も浴槽の底はやはり板張りになっていて……   板と板の隙間から時折お湯が湧き出してきます。 そう！泉響の湯もまた「足元湧出」の新鮮湯なんですよ！ 井上靖は湧き出るこのお湯に泉のせせらぎのような響きを感じたのかも知れませんが、文豪でも何でもない凡人の僕には「ボコッ」という音としか聞こえませんでした（苦笑）。   浴槽内温度は43℃くらい。 少し熱めですがまず適温だと言えるでしょう。   やっぱり足元湧出の新鮮なお湯は最高に気持ちいいですね～。 浴感は久安の湯と同じでしっとりとやさしい感じ。 別源泉だとは言え浴感の違いまでは素人の僕にはわかりませんでした（苦笑）。   まあでも高い高い天井の素晴らしい造形を眺めながら、独り占めしてのんびりと入るお湯はやっぱり最高の気分でした。   せっかくなので湯上りに休憩所「楓の間」に行ってみることに。   立派な欄間がある広々とした休憩所です。 まだストーブが置いてありました。   麦茶と「蔦の森の湧水」を自由に飲むことができます。   椅子が並べられていて……   ゆったりと座って中庭の景色を眺め、無料の麦茶や湧水を飲みながらくつろぐことができます。   ゆうても僕はどれだけ美しい景色を眺めても1分くらいで飽きますが！（爆）   千年の秘湯『蔦温泉旅館』。 いつの日かゆっくりと泊まってみたい、そんな風に思える足元湧出の素晴らしい名湯としっとりとした風情に包まれたとても素敵な旅館でした。 って、この石碑の文字書いたんアントニオ猪木かい！（爆） 風情もクソもあらへんがな！（大爆） close

蔦温泉 蔦温泉旅館 泉響の湯〈もうひとつの足元湧出は別源泉〉@青森県十和田市奥瀬蔦野湯