夕食開始時間の決定には曲折あり。宿側は２部制的に時間を分けたいという意向がはっきりあるんで、なんとかうまく誘導しようと策を弄する（笑）。17:30開始なら奥まった半個室のようなお部屋が確保できます／18:00や18:30開始でしたら限定のカウンター席もご用意できます／それでは19…… more :00とか19:30開始でごゆっくりというのは如何でしょう・・・など。しかしほとんどそれに乗っからないウチ。きっと厄介なやつって感じなんだろうなあ。「18:30開始でテーブル席がいい」と言ったら、マイクを通して「18:30でテーブルは空きありますか？」と、どこかに問い合わせ。やはりそういう席はない。ということでテーブル席で19:00開始、でももし早く用意できたら、19:00より前に連絡します、というところに落ち着く。ちなみにこのやりとりに不満はまったくなし。無い物ねだりをするつもりはないのだし。それにお宿の方は、こちらの意図に応じて、ちゃんと丁寧に対応してくれました。ほぼ19:00に部屋に連絡あり。そうそう早くはならんだろう。だって代わりに誰かが食事処から追われる運命にあるんだろうから。おかげさまで、一番奥の半個室風の部屋に案内された。ラッキー。どういう理由かわからんのだが、ワンドリンクサービスがあって、メニューから選ぶ。こちらはスパークリングワイン、あちらはグラスワインの白。これはもう、ちょっと飲んじゃったあとの写真だが。風呂上がりに部屋で無料の缶ビールを飲んだから、最初から日本酒で行くかと思っていたが、ワンドリンクサービスで日本酒っていうのもどうかと思って（日本酒もありました、念のため）、２人とも日本酒じゃないものを頼むという妥協派。先付。秋鱧と松茸のフライ。酢橘は好みで。ソイソルトをちょいとつけて。見た目の通りフライの味わいなのだが、松茸は、、、噛み締めるとあの風味がじゅわっと。鱧はふわはも。うーーん、美味いぞ、最初から。そして前菜。飾りとなっている炭の上に載る秋鯖棒寿司は、ご飯にわさびの茎？が入る。噛んでいるとわさび風味が鯖を邪魔しない程度で、でもしっかり感じられる。皮目を炙ったカマスがふわふわになっている、酢〆。酢はジュレになっている。胡桃豆腐には天使の海老。海老が甘い。胡桃豆腐はかなりねっとり。クコの実の下にカニ肉、その下には胡麻和えのコンニャクとか柿、栗、キノコ。カニも美味いが、胡麻で和えたコンニャクとか柿などからしみじみ甘みを感じられて、カニだけではない料理の美味さがしっかり伝わる。こういうのはいいね。鴨ロースの下には焼きネギも。鴨は葱を背負ったら最強でしょう。こんだけ料理が美味ければ、当然日本酒を頼むわけで。そうしたらおちょこも選べるってことで、目の前に提供されたお盆に載ったたくさんのおちょこから、それぞれ好みのものを選ぶ。見た瞬間にこれかこれだなっと思ったが、そのうちの１つを妻が「これっ」と奪取したので、自ずと残りの青いおちょこに。そうしたら、従業員さん「こちらの大きいグラスですね」。これにはあとで夫婦で小声で爆笑。わざわざ「大きい」を強調せんでも良かろうに。そう、ウチが選んだのは、お盆に載っていたなかの２つだけ大きなグラスでした・・・。だって小さいグラスに都度都度注ぐの面倒くさいでしょ？そしてさらに、１杯目はその従業員さんが注いでくれたのですが、それぞれの大きいグラスに極めて上品にちょびっと注ぐということで、しっかり首尾一貫しておられました。もちろんすぐに飲み干して、互いのおちょこにどぶどぶ注ぐという醜悪な事態が現出するという・・・。念のためですが、この従業員さんの夕食時、朝食時の接客は抜群に良かったのですよ。だからちゃんとアンケートに従業員さんの名前を入れて感謝の言葉を記しておきました。つまりは、揚げ足取り的な爆笑に過ぎず。単なる笑い話。お椀の器は色違いで。甘鯛と焼き茄子。焼いた甘鯛は食感しっかり。焼き茄子はトロトロで汁物に沈む。美味いねえ。次はお造り。煎り酒、塩、土佐醤油という準備。左からシマアジ、鮪（下には赤身、上はトロ）、ホウボウという編成。ホウボウは煎り酒に合う。鮪は塩でも醤油でもいいかな。シマアジは結局醤油で食う。丸く刳り抜かれた野菜に金山寺味噌がすんげー合う。この金山寺味噌を買って帰りたいくらい。美味い。魚料理と肉料理は、これまでと変わらず、３種から選択可能。着席時に選ぶ。こちらの魚料理は、稲取産金目鯛の照り焼き。プリッと焼き上げた金目鯛は、上品な味付けで、身をじっくり味わう感じ。金目鯛そのものは少量だけどね。もっと食いたい。あちらは富士山サーモンのポワレ、蕪とキノコのデュクセルソース。サーモン好きはこれまで頼んでいた金目鯛から乗り換えて、サーモンに即決。このソースは、タマネギやニンニクがしっかり使われ、かなり印象深い味わい。サーモンの脂っぽい甘さにも負けない、というかそれと合うソースなんだな。妻はご満悦のまま食べきる。肉料理は、３種から夫婦ともに同じものを選択。こういうときにいろいろ食べよう、だから違うのを頼もうという発想がないので。でも和牛のたたきに生ウニが載っているのなら、選択しちゃうでしょう。「うにく」なのだから、合わないわけないじゃん。融合だよ、融合。そういえばこちらのお宿に初めて泊まったときもウニを牛肉で巻いた料理を食ったわけで、こういうのが好きなんだな、ウチは、きっと。真ん中に大量の茗荷と芽ネギがあって、適宜好みでウニとともに肉に巻いてお召し上がりくださいと説明あり。茗荷嫌いの妻は全部の茗荷をこっちに移動。こちらは茗荷大好きなので、肉に巻かずとも、すぐに食べちゃった・・・ご飯は目の前に釜が登場。鮭の炊き込みご飯。蓋を開けて混ぜ混ぜ、そしてイクラを投入してさらに混ぜ混ぜして、お茶碗によそってくれる。このご飯、美味いとしか言えん。燻りがっこも赤カブも美味い。好み。ちょっと寒かったが、デザートは外のテラスで。うん。まあ。写真にはデザートが写らん。暗いのだが近くに灯りがあるとダメね、写真は。栗のブリュレってのが右に。マフィンみたいなお菓子の中に栗のトロトロ。左は洋梨とシャインマスカット。暗がりでなんとか果物の形を確認。うん、甘くて美味い。シャインマスカット、大好き。残ったご飯はおにぎりになって用意される。部屋で出汁茶漬けにして食べる。こうして満腹のまま寝ることになる。絶対に体には悪い気がするが、やめられない・・・ close

峰温泉玉峰館　2020年10月（３）