●青森県湯川（ぬるかわ）温泉：吉川英治 湯川温泉には、いわゆる秘湯一軒宿の「湯川山荘」があります。 湯川温泉は吉川英治の代表作「宮本武蔵」の構想を練った温泉地で、湯川山荘はそのゆかりの宿を引き継いだ宿です。 ●岩手県花巻温泉郷大沢温泉：宮沢賢治 大沢温泉は「山水閣」「湯治屋…… more 」「菊水舘」からなる、いわゆる秘湯一軒宿です。 宮沢賢治は花巻市の生まれです。 教師時代には生徒を引き連れて、大沢温泉に湯あみに訪れました。 ●秋田県秋の宮温泉郷稲住温泉：武者小路実篤 武者小路実篤は家族とともに疎開し「稲住日記」を綴ったので、まさにゆかりの温泉地です。 稲住温泉はいわゆる一軒宿で「湯けむりの宿　稲住温泉」があります。 ●山形県湯田川温泉：藤沢周平 藤沢周平は湯田川中学校に赴任していたことがあり、「九兵衛旅館」に頻繁に泊まりました。 ●福島県いわき湯本温泉：野口雨情 いわき湯本温泉で生まれたと言われているのが、野口雨情作詞の「よいよい横町」（作曲：山田耕作）です。 「雨情の宿　新つた」とゆかりがあります。 ●福島県東山温泉：与謝野晶子 与謝野晶子は「向瀧」にて「東山伏見の瀧の上にある狐の湯にも聞ける夜の雨」と詠みました。 ●栃木県塩原温泉郷畑下（はたおり）温泉：尾崎紅葉 尾崎紅葉は、読売新聞の連載「続続金色夜叉」の中で、畑下温泉の情景を描写しています。 尾崎紅葉と言えば、温泉ソムリエ発祥の地「赤倉温泉」にも逗留し、「煙霞療養」で紹介しました。 宿泊したのは「香嶽楼」です。 ●栃木県塩原温泉郷福渡温泉：山岡荘八 あの大作「徳川家康」を書き始めた地とされています。 残念ながら、山岡荘八ゆかりの宿「和泉屋旅館」は昨年閉館しました。 ●新潟県越後湯沢温泉：川端康成 「雪国」を執筆した温泉地。 川端康成が宿泊したのは、「雪国の宿　高半」です。 ●新潟県赤倉温泉：深田久弥 「妙高山」「火打山」を「日本百名山」で紹介しました。 ●長野県小諸市「中棚荘」：島崎藤村 冬は島崎藤村の詩「初恋」がモチーフになった「初恋りんご風呂」が名物となります。 飲泉ができる点でも貴重な温泉宿です。 ●長野県湯田中温泉：小林一茶 小林一茶が５年間で１５０日以上逗留したとされるのが「湯田中湯本」です。 ●長野県角間（かくま）温泉：林芙美子 長野県には角間温泉は２か所あり、林芙美子ゆかりの温泉地は、湯田中渋温泉郷の角間温泉です。 （もう一か所の角間温泉は上田市） 角間温泉は林芙美子の疎開先で、「夢一夜」という小説に共同浴場「大湯」が登場しています。 静岡県天城湯ヶ島の「おちあいろう」も林芙美子の小説「温泉宿」に登場するゆかりの宿です。 ●山梨県湯村温泉：太宰治 「正義と微笑」「右大臣実朝」を執筆したのは「旅館明治」です。 ●山梨県下部温泉：井伏鱒二 井伏鱒二は「雨河内川」で下部温泉で過ごした時の様子が描写されています。 「古湯坊 源泉館」がお気に入りでした。 数少なくなってきた混浴があります。 ●神奈川県七沢温泉：小林多喜二 小林多喜二が「オグル」を執筆したのは「福元館」です。 ●石川県辰口温泉：泉鏡花 泉鏡花の小説「海の鳴る時」の舞台になったやどが「まつさき」です。 ●石川県湯涌温泉：竹久夢二 １３００年もの歴史がある温泉地です。 詩人画家竹久夢二が長期滞在した地で、「金沢湯涌夢二館」があります。 ●福井県芦原温泉（あわら温泉）：水上勉 水上勉は代表作「越前竹人形」で芦原温泉を描きました。 ●静岡県天城温泉郷湯ヶ島温泉：井上靖 井上靖に愛された「白壁荘」は、和とモダンが織りなす里山の古民家「白壁」として営業しています。 ●静岡県熱海温泉：尾崎紅葉 尾崎紅葉の名作「金色夜叉」の舞台となったのが、言わずと知れた熱海温泉です。 ●岐阜県新穂高温泉：井上靖 井上靖の「氷壁」に登場するのが、「中崎山荘」です。 ●兵庫県城崎温泉：志賀直哉 城崎温泉といえば、志賀直哉の「城の崎にて」の舞台として有名です。 志賀直哉は「三木屋」にて「城の崎にて」を執筆しました。 ●兵庫県有馬温泉：谷崎潤一郎 「日本三名泉」の一つに数えられるだけあり、その歴史の中で多くの名士、文化人に愛されてきました。 谷崎潤一郎は、度々「陶泉　御所坊」に訪れました。 ●山口県湯田温泉：中原中也、種田山頭火 湯田温泉は「日本のランボー」と呼ばれる詩人中原中也が育った温泉地です。 種田山頭火もこの地を愛し、句碑が刻まれています。 今では、いわゆる「お町」な温泉地なので飲食店が充実しており、粋なバーもあります。 ●香川県琴平温泉：森鴎外、与謝野晶子 何故か、「琴平温泉」「ひとひら温泉」「こんぴら温泉」を色々な表記、読み方がある温泉地です。 「琴平花壇」には、森鴎外、与謝野晶子などの文化人や皇族が逗留しました。 ●愛媛県道後温泉：司馬遼太郎 司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」に登場するのは「ふなや」です。 道後温泉には、他にも夏目漱石、正岡子規、高浜虚子などなど数々の著名人が訪れています。 ●佐賀県古湯温泉：斎藤茂 斎藤茂吉は大正期に３週間ほど古湯温泉に滞在し、「うつせみの病やしなふ寂しさは　川上川のみなもとどころ」などの歌を３８首の歌を詠んだと言われています。 ●大分県長湯温泉：田山花袋、野口雨情、与謝野鉄幹、与謝野晶子、種田山頭火 泡付きの二酸化炭素泉で有名な温泉地ですが文人にも愛され、温泉街の各所に歌碑があります。 中でも「大丸旅館」には多くの文人が逗留していました。 ●熊本県阿蘇内牧温泉：夏目漱石 阿蘇内牧温泉は夏目漱石の「二百十日」を生んだ地ですが、残念ながらゆかりの宿「山王閣」は休館中です。 ちなみに、「武将が愛した温泉」はこちらです。 　↓↓↓ 【武将が愛した温泉】 さあ！温泉ソムリエになろう！ 　↓↓↓ 【温泉ソムリエ】 　 close

作家・文化人が愛した温泉