昨日６月１４日に「温泉総選挙、温泉宿・ホテル総選挙」主催のウェビナーにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。 ウェビナーでお伝えした通り、私温泉ソムリエ家元遠間和広が話した部分の要点をまとめましたので、お知らせします。 　↓↓↓ 【テーマ】 １． 今の温泉業界に足りない…… more ものは ２． どうすれば温泉の価値や魅力が伝わるのか？ ３．今後の温泉業界発展のために必要だと思うこと 【１】今の温泉業界に足りないものは ズバリ！「温泉の知識」です。 温泉を大きく分けると、「湯治場から始まって温泉そのものを大切にしている温泉地、宿」と湯治の習慣が消えてから「設備、料理など温泉以外の魅力を売りにしている宿が名をはせている温泉地」の２つがあります。 後者は「星のや」「界」などの宿名がついた星野リゾートグループのやカトープレジャーグループの「ふふ」と名のついた宿が代表的です。 先週、大分県の別府に行ってきましたが、別府で言うなら「AMANE RESORT SEIKAI （潮騒の宿　晴海）」「ANAインターコンチネンタル別府リゾート＆スパ」「杉乃井ホテル」がそれに当たります。 それらは施設のデザイン性に優れていたり料理がモダンで洗練されていたり、温泉ではあても、温泉そのものよりお風呂の設えを売りにしており、今話題になりやすくなっているのが、このタイプです。 ここでお伝えしたいのは「温泉」とひとくくりにしていますが、実はお客様は「温泉好きとお風呂好き」に分かれます。 「温泉」の名に惹かれはするものの、清潔感があれば源泉かけ流しにこだわらないのが「お風呂好き」です。 「お風呂好き」は、モダンな料理、デザイン性の優れた施設に重きをおくからよいのですが、「温泉好き」を受け入れる源泉かけ流しにこだわった宿が意外に温泉の知識がないことがあります。 これは、僕が源泉かけ流しが多い温泉地での人間だからこそ嫌味なく、皮肉なく言えるのです。 源泉かけ流しで温泉を提供している温泉地の人は、誰よりのその温泉の素晴らしさを知っているのですが、意外にも正式な適応症が言えなかったりするのです。 源泉かけ流しで温泉を提供する宿は湯治場から始まり、温泉宿が娯楽化しても設備より温泉に重きをおいていたからこそ今も源泉かけ流しで温泉を提供できるので、やはり設備は「お風呂好き」を対象とした宿に負けるので、温泉の知識を持って、その魅力を発信してほしいですね。 人間は体験してから「良かったでしょ」と言われるより、体験する前にその素晴らしさを伝えられると感動が増すので、正しい知識を持って、温泉に入る前にその魅力を伝えていただきたいものです。 そのためには、温泉の魅力をまとめた冊子をつくるのも有効な方法です。 と業界の真面目な話だけでは面白くないので、温泉好きとお風呂好きは違うと言いつつも、温泉も施設も料理も素晴らしい宿がありあすから、それを紹介します。 まず、タイムスリップしたような情緒のある宿で完成度の高い宿を３つあげます。 これは温泉紀行ライターの飯出敏夫さんも「私のベスト３」と仰っています。 ●秋田県乳頭温泉郷「鶴の湯」 ●長野県白骨温泉「小梨の湯　笹屋」 ●群馬県法師温泉「長寿館」 次にちゃんと温泉を提供しているのに、施設（設備）、料理も良い宿を紹介します。 ●新潟県赤倉温泉「赤倉観光ホテル」 （施設の投資の際に、温泉の権利も買った） ●神奈川県箱根「箱根本箱」 （「自遊人」岩佐十良さんのこだわりに加え、硫黄泉とアルカリ性の２つの温泉） ●静岡県桜田温泉「山芳園」 （「湯づかい」に最高にこだわりながら、元CAの若女将のサービス） ●長崎県小浜温泉「伊勢屋」 （モダンにリニューアルし、料理にもこだわり、温泉は湯雨竹を使って適温で提供） 【２】どうすれば温泉の価値や魅力が伝わるのか？ 温泉ソムリエになってください(笑) いや、温泉ソムリエにならなくともよいのですが、温泉分析書の深いところまで読めるようになると、いかにその温泉が素晴らしいか再認識できます。 例として、山形県姥湯温泉の記事を書いた時の話をします。 ここは枡形屋（ますがたや）というお宿があるいわゆる「秘湯一軒宿」ですが、記事を書くために温泉分析書を再確認しました。 泉質名は「酸性泉」「硫黄泉」となっているのですが、温泉分析書が間違っていて、「含鉄泉」であることもわかりました。 これで、記事のコメントがガラリと変わります。 ３つの特殊成分が入っている泉質ですから、「大相撲の三役揃い踏みのように、トップのスター力士達が集まったような贅沢な温泉」と表現しました。 このように温泉分析書の間違いがわかるほどに温泉分析書が読めるようになると、温泉分析書が間違っていなくても、より魅力的に温泉の情報を提供できる温泉の長所を発見できるのです。 【３】今後の温泉業界発展のために必要だと思うこと 基本的には各々の宿のレベルと高めるとともに、温泉地として情報を共有し、お客様にお伝えするのが大切だと思います。 そのためには温泉ソムリエになっていただけると嬉しいのですが、それ以上に温泉総選挙や温泉宿・ホテル総選挙にエントリーして、温泉地や宿の魅力を全国に伝えるんだという意気込みが大切だと思います。 あとは、「手と手を取り合う」タイミングをはかることです。 僕が全国の温泉地を訪れたことから得た結論は、「個の力が先」ということです。 宿を見つめ直し、「料理」「施設」「サービス」という宿の３要素を充実させ、どの地域にあっても繁盛する宿づくりをします。 その上で、その地域にあるからこそ、その良さか活かせる特徴を出します。 私の住んでいる新潟県赤倉温泉でいえば、「赤倉観光ホテル」です。 全体的にフラシックな高級ホテルとう雰囲気が漂い、フレンチレストランなど食が充実し、露天風呂付きの客室は温泉がかけ流し。 これだけ揃えば、どこにあっても繁盛するホテルです。 これに加えて、標高１０００メートルの高台にあるので、赤倉温泉ならではの絶景が圧倒的な価値を高めているのです。 地域活性化のモデルとされている大分県の湯布院は「由布院玉の湯 」「亀の井別荘」が個人客を対象とした高級ホテルで成功し、他の宿が次々と高級化路線で成功したお陰で、素晴らしい街並みができました。 熊本県黒川温泉は、「新明館」の自然と一体化した露天風呂をモデルとして、次々と他の宿が個性と情緒がある露天風呂を造って黒川温泉のイメージが定着し、入湯手形も生み出されました。 やはり誰かがグランドデザインを描いて、突き抜けた宿をつくり、それをみんなが真似することで、最後に手と手を取り合って街並みが統一されるというのが、地域活性化のストーリーでしょう。 さあ！温泉ソムリエになろう！ 　↓↓↓ 【温泉ソムリエ】 close

温泉地活性化のために語ったこと