私が定期購読しているメルマガに、「『温泉失格』著者がホンネを明かす～飯塚玲児の“一湯”両断！」があります。 このメルマガには読者からの質問コーナーがあり、こちらも参考になります。 このメルマガに「温泉の成分の肌への浸透」について、また「なぜ温泉は湯冷めしにくいのか？」という質…… more 問がありました。 これにはいくつか要因がありますし、まだ解明されていないことがあります。 飯塚玲児さんが的確に回答されていましたが、私なりの考えもお伝えしたところ、８月３１日配信の「『温泉失格』著者がホンネを明かす～飯塚玲児の“一湯”両断！」で、私の考えもご紹介くださいました。 今回は、それをご紹介します。 ■温泉の成分の浸透 温泉効果は「成分の浸透効果」と「肌へのコーティング効果」で大きく分かれると思います。 二酸化炭素泉、硫化水素型の硫黄泉はガス成分の浸透で血管が拡張するので、血の巡りをよくする効果があります。 塩化物泉、硫酸塩泉はコーティング効果で、保湿・保温、傷の回復などに効果的です。 実際には二酸化炭素泉、硫黄泉にもコーティング効果があり、塩化物泉、硫酸塩泉なども肌に成分が浸透すると考えられますが、浸透しやすさが違います。 肌に成分が浸透しやすい順は・・・ 「遊離硫化水素（二酸化炭素泉）」「ラドン（放射能泉）」＞「遊離硫化水素（硫黄泉）」＞「水」＞「水素イオン（酸性泉）」＞「硫酸イオン（硫酸塩泉）」＞「ナトリウムイオン、塩素イオン（塩化物泉）」＞「鉄イオン（含鉄泉）」 です。 塩類系の温泉は水より成分が肌に浸透しにくいので、成分の浸透効果もありながら、コーティング効果の方が大きいのではないかと思います。 コーティング効果を期待するなら、肌についた温泉成分はシャワーなどで洗い流さない方がいいのですが、衛生上の問題で洗い流すなら、 「湯口から出ている新鮮な温泉を桶で汲み、適温になってから『あがり湯』をする」のが理想的です。 一般的に温泉が濃いほどコーティング効果は高いですが、その分ベタベタ感が気になる方がいます。 桶で温泉を汲んで水で薄めて「あがり湯」にしたりしてもよいと思います。 温泉の成分は入浴後も１時間以上（２～３時間説も）肌に浸透し続けるといいますが、これは体を濡らしたまま放置する必要はなく、温泉の成分が肌の角質の中のタンパク質と化学変化を起こして「見えないベールとして包まれる」ので、そのベールとなる皮膜が肌に浸透するようです。 ですから、体が濡れた状態で脱衣場に戻るのでなく、浴室内で体を拭くことをおすすめします。 なお、新鮮な温泉での「あがり湯」の際に、桶の中にタオルを入れておきます。 タオルを絞っても適度に温泉成分が残っているので、そのタオルで体を拭いても成分を拭きとりすぎることがありません。 温泉成分が残ったタオルで、体をポンポンたたくように拭くことをおすすめします。 ２０１４年の公然分析法指針改訂以前は、「入浴の注意事項」に「自然乾燥させるのが望ましい」と書いてありましたが、僕は湯冷めするのではないかと疑問を持っていたところ、鉱泉分析法指針が改訂されていからは、この文言が消えました。 やはり、ちゃんと浴室で体を拭くのがよいようですね。 ■なぜ温泉は湯冷めしにくいのか？ これは一般的にはコーティング効果によるものですが、飯塚さんが回答されたように遠赤外線効果のようなものもありそうです。 それと、温泉にはガス成分を含んでいることがあるので、ガスの血管拡張効果も「芯から温まる」要因でしょう。これらが、同じ時間つかっても温泉の方が温まる大きな要因だと思います。 あとは、温泉は自宅のお風呂より長湯になる傾向があります。 同じ時間つかっているように思えても、実際には温泉の方が長湯しているので、体の芯から温まるのでしょう。 長湯できるのは、単純に手足を伸ばせる解放感や環境の良さによるものです。 そして、温泉は沸かし湯よりも分子が大きいと考えられるので、同じ温度でもピリピリ感がなく快適に長湯ができます。 温度が高いということは、分子が早く動くということですので、沸かし湯だとイメージ的に針で刺されたような肌感覚になります。 温泉だと成分を含んでいるので分子が大きく、ビー玉が肌に当たっているようなイメージで、湯もみをすると空気と反応して分子が更に大きくなるので、毬が肌に当たっているようなイメージです。 実際に草津の湯を湯もみすると白くなりますが、白は光の三原色すべてを反射させているので、白くなるということは分子が大きくなっている証と考えられます。 ・・・と色々書きましたが、温泉の効果のウンチクがなくとも、お客様が効果を証明してくれています。 温泉宿に杖をついて行ったのに帰りに杖を忘れてきた、湯治をした後に病院に行くと必ず数値が改善しているなど、温泉効果の例には枚挙にいとまがないんです。 さあ！今月のウェビナー番組「FUN温泉」のテーマは「湯治」！ 詳しくはこちらをご覧ください。 　↓↓↓ 【９月２８日の「FUN温泉」】 そして！温泉ソムリエになろう！ 　↓↓↓ 【温泉ソムリエ】 ※写真はイメージです。 close

温泉の効果はどこから来るの？なぜ温泉は湯冷めしにくいの？